「顔色は…いい。食欲は、あるんだよな?」
「あ、はい。全部完食してくれました。
元気そうでしたし」
慌てて説明する。
「なら大した事は、無さそうだな。
まったく…相変わらず
必要以上に話し過ぎると熱を出しやがるな」
呆れたようにため息を吐いた。
えっ?
「どういう意味なんでしょうか?」
話し過ぎると何故熱を出すの?
意味が分からない。
尋ねると先生は、
「コイツは、長い話をするのを極端に嫌う。
話す数も同じでな。
その証拠か普段より口数が多い日は、
決まって熱を出しやがる。
ストレスになるのだろう。だから
無理に話させないようにしているのだが
今日は、よく喋ったからな…コイツ」
そう言い教えてくれた。
そうなの…?
確かに今日は、睦月君の口数は多かった。
と言っても全て私のせいなんだけど
睦月君にとったら話す事がストレスになるんだ。
そう考えると…申し訳ない事をしてしまった。
知らなかったとはいえ
「あの…すみません。
私が悪いんです。
睦月君に守ってもらうばかりで
負担にさせてしまったみたいで」
頭を下げて謝罪する。
ごめんね…睦月君。
すると
「……いや、お前のせいばかりではない。
俺のハッキリしない態度に
しびれを切らしたのだろう」