「やっぱり熱があるわね…」

そんなに高くないけど子供の熱は、
油断が出来ない。

「あの…どうなさいますか?
病院の手配か、タクシーを呼びましょうか?」

スタッフの人が心配そうに声をかけてくれた。

どうしよう…!?
ただの風邪だとしたら
これぐらいで病院に行くのは、大げさ?

でも、命取りになったら大変だし
頭の中が焦りパニックになる。

先生……。

すると突然スマホが鳴り出した。

もしかして…!?

慌ててスマホを取り電話に出た。

「もしもし!!」

『そんなに大声で騒ぐな。うるせーぞ』

先生だった。良かった…。

「あの大変なんです。
睦月君が熱を出しちゃって…それで、それで」

『睦月が!?おい。とにかく落ち着け。
深呼吸してもう一度きちんと話せ』

先生に怒られてしまう。

し、深呼吸…。

私は、言われた通りに深く呼吸を吸ったり
吐いたりする。

そして睦月君の容体を話した。

「なるほどな。大体は、分かった。
とりあえず熱も大した事ないし
氷枕をホテルから借りろ。
まぁストレスからだろうから。
後は、俺が帰るまで様子を看ていろ。じゃあな』

そう言い一方的に電話を切られてしまった。