その後。
奥さんのお父様のお通夜が行われた。

先生は、お母様と一緒に家族として参加する。

私は、お通夜に出たが睦月君が居るため
先生に頼まれ睦月君とホテルに戻る。

初めて私と2人で泊まった。

「睦月君。パパが居ないから寂しくない?」

ベッドに横になりながら尋ねてみた。
いくら大人しく聞き分けのいい子だけど
まだ幼い。

寂しくないのだろうか?

するとコクリと頷いた。

やっぱり寂しいらしい。無理もない…。

「そっか…今日だけ我慢してね。
明日は、葬式が終わるからパパと
一緒に居られるからね」

ニコッと微笑むと布団の上から
ポンポンと叩いてあげた。

すると

「……大丈夫だよ。お姉ちゃんと一緒だから」

そう言ってくれた。

睦月君……あれ?

何だか顔が赤いような?

もしかしてと思いおでこに手を当ててみる。

熱い…!?

「た、大変…睦月君。
熱があるじゃない!?」

どうしよう…食欲があったし
平気そうだったから気づかなかったけど
いや、睦月君の事だから
我慢していたのかもだし。

オロオロしていたら睦月君は、ギュッと
バスローブを掴んだ。

「…大丈夫。ただの…熱だから寝たら…治るよ」

熱だからって…そんな顔を赤くして
やっぱり病院に連れてった方がいいかしら?

とりあえず熱を測らないと…。

私は、慌ててフロントに電話した。

スタッフの人に体温計と
氷枕を持ってきて貰った。
熱は、37度8分。