む、睦月君!?

先生相手に凄い事を言ってくる睦月君。

「何だと……?」

眉を寄せる先生の表情は、一瞬で恐くなる。

あぁ、怒らしちゃう!?

私は、どうやって止めるべきか
オロオロしているとお母様が

「そうね…睦月君のいう通りかも知れないわね」

そう言ってきたではないか。

えぇっ!?お母様まで…。

「藤崎君は、怖いのよ。
沙織を裏切る事になるのではないかって…でもね。
勘違いしないであげて?
あの子は、あなたや睦月君の幸せを
誰よりも願っている。
それが違う女性になったとしても…変わらずに。
沙織は、そういう優しい子だって
あなたが1番分かっているはずでしょ?」

「………。」

お母様の言葉を聞いて先生は、言葉を無くした。

「もう沙織や私達の事で苦しまないで
あなたは、あなたの幸せのために
自由に生きてちょうだい。
それが、睦月君や沙織のためになるわ」

その言葉は、優しくて温かった。

「……先生……」

先生の苦しみが痛いほど伝わってくる。

愛してるからこそ……苦しいのだ。

私も…。