「………っ!!」

その言葉を言われた時、息が詰まる。

た、確かに…そうなんだけど

私は、私。
先生の奥さんにはなれない。

そんなの……分かっている。
分かっているけど

思わず立ち上がった。

「わ、私が奥様の代わりになるって言うのは、
ダメですか!?」

自分の口から大胆な発言が出てしまった。

あっ…!!

こんなの言うべきではない。
奥さんに似ても似つかないのに…でも

「睦月君のママになりたい…です。
私は……先生の事が…」

そう言いかけた瞬間。

先生のポケットに入っていたスマホが突然
鳴り出した。

タイミング悪く。
気まずい雰囲気が流れる。

「……悪い。電話だ」

先生は、私より電話の方を優先する。

「…………。」

そうよね。こんな事を言われても困るだけよね。
一気に悲しい気持ちになる。

睦月君は、そんな私を気遣ってか
私の手を握ってくれた。

すると先生は、驚いたように

「はい。今すぐに行きます!」

そう言い慌てたように電話を切った。

どうしたのだろうか?

ただ事ではない雰囲気だと感じる。