人に迷惑ばかりかけてるくせに
一人前にヤキモチとか妬くなんて……。
先生の前で泣くつもりなんて無かった。
こんな想いを知られたら
私は、先生のそばに居られなくなってしまう。
だから、この想いを隠すはずだったのに…。
心の中にある気持ちが溢れてくる。
先生の事が好きだと
想えば、想うほど涙が溢れてくる。
その時だった。
グイッと服を引っ張られた。
えっ?
引っ張られた方向を見ると睦月君だった。
「睦月君……」
心配になって追いかけてくれたのだろうか?
しかし、前を見るとさらに驚いた。
だって……。
後ろから先生の姿が見えたからだ。
「先生……」
睦月君と一緒にわざわざ
追いかけてくれたの……?
私は、慌てて目線を逸らした。
顔向けなんて出来ない。
こんなみっともない私を見せられない。
「おい。部屋に戻るぞ。
睦月がお前を追いかけるから仕方がなく
来てやっただけだからな」
「…………。」
睦月君のためか…。
そうよね。
私のためな訳がないわよね。
「それに妻にヤキモチってどういう事だ?
大体沙織は、沙織。
お前は、お前だろーが!?」
ブツブツと文句を言う先生だった。