部屋全体を見るといつの間にか
朝になっていた。
カーテンを開いた窓は、
眩しく日差しを浴びていた。
朝か……。
泣きつかれて眠ってしまったのね?
夜中の事を思い出した。
胸が張り裂けそうな思いだ。
すると布団にへばりついていた睦月君は、
よじ登り私にギュッとしがみついてきた。
「……睦月君!?」
いつも悲しい気持ちになると
睦月君は、励ましてくれる。
だから、深く落ち込まずにいられるのだろう。
するとガチャッとドアが開き先生が現れた。
「やっと起きたか?」
ズキッと胸が痛んだ。
「お、おはようございます。先生……」
思わず目線を逸らしてしまった。
昨日の事を思い出すと顔を合わせづらい。
そうしたら先生が
「朝食は、バイキングになっている。
俺は、ちょっと出掛けて来るから
悪いが睦月を頼めるか?」と言ってきた。
えっ?
「何処かにお出掛けですか?」
こんな朝早くに……。
「あぁ、お前の出版社から電話があって
急遽テレビ出演が決まった。」
えぇっ!?
私の勤めている出版社から!!?
「私聞いてませんよ!?担当なのに」
編集長も何故私に通しもせずに…。