いけない。
何かを考えてるのよ…私ったら

「な、何かな?睦月君」

慌てて睦月君の方を見るとドライヤーを
差し出してきた。

あ、乾かして欲しいのね。

「はいはい。向こうのソファーで乾かそうね」

睦月君をソファーに連れて行き
ドライヤーで髪を乾かした。
サラサラの銀髪は、乾くとみるみる内にはね上がる。

(くせ毛な所まで先生そっくり…)

そう思うと何だか不思議な気分だ。
しばらくすると先生がお風呂から出てきた。

えぇっ!?

私は、その姿に動揺を隠せなかった。

慌てて目線を逸らした。
だって、バスローブ姿なんだもん。

濡れた髪は、真っ直ぐになっていて
何だか男性なのに妖艶な色っぽさがある。

その上…バスローブだなんて
私の心臓が持ちません。

「…どうした?耳まで真っ赤だぞ?お前…」

「いえ、何でもありません。
あ、何か冷たい物をお持ちしますね!!」

慌てて誤魔化すように立ち上がった。
が、しかし慌てたもので
ソファーの所にあるテーブルに足をぶつけた。

い、痛い……。

声にならない痛みが私を襲う。

どうして、慌てると何かやらかすのだろう。

あまりの痛さにしゃがみこみと先生が

「大丈夫か?ったく。
相変わらずドジだな。お前は…」

呆れたようにこちらに来た。

あ、あの……。
そんな格好のまま来ないで下さい!!

目のやり場に困りますから…。