「河合先輩!?」
他の部署に異動した河合先輩が立っていた。
「河合。どうした?」
「原稿のチェックと打ち合わせを…それより
せっかく、彼女がやる気を出しているのですから
やらしてみたらどうですか?」
私のフォローをしてくれた。
「しかしだな…」
編集長は、なかなか渋った。
「何事も経験ですよ。それに
すでに騒がれていますし。
ネットで大きく話題になっていますが
彼女より先生や息子さんの方に
注目が浴びています。
地味な彼女の事を忘れられるのも
時間の問題でしょう」
ニコッと笑顔で言う河合先輩。
ガーン!!
河合先輩にまで地味だと言われてしまった。
何気にショックを受けていると
先輩に頭をポンポンと撫でられる。
先輩……?
「彼女もやっと一人前になろうとしています。
どうでしよう。
俺の顔に免じて彼女に行かしてみては?」
先輩は、私を信じて説得してくれた。
編集長は、黙ったまま悩むが
ハァッ…とため息を吐いた。
「分かった。ただし
蓮見先生の迷惑をかける事はするなよ」
「はい。」
やった…また、先生の所に行ける。
私は、嬉しそうに先輩を見ると
ニコッと笑ってくれた。
これも先輩のお陰だ。
「ありがとうございます!」