私のお陰って…どういう事だろうか?

意味が分からずに首を傾げた。

「失敗してもめげずにやれば、何とかなるって事だ。
睦月。用意しろ。幼稚園に行くぞ」

そう先生が言うと睦月君は、
急いで自分の部屋に入って行く。

そして、支度を済ませると
エレベーターを使い1階まで下りて行った。

こっそり見るとまだ
たくさんの報道陣がウロウロしていた。

「先生。やはり今日は、
中断した方がいいのではありませんか?」

これだと囲まれて大変な事になるのでは?

しかし先生は、表情を変えずに
睦月君を抱き上げた。

「お前は、後で来い。
巻き込まれたく無いのならな」

そう言うと扉の方に向かって行った。

「ま、待って下さい!?」

私は、帽子を取ると慌てて
先生の後ろを追いかけた。

先生が覚悟を決めたのなら
私も覚悟を決めないとならない。

扉が開くと待ってましたと
たくさんの報道陣に囲まれた。

す、凄い。圧倒されるぐらいの人数だ。

それに、カメラのフラッシュが眩しい。

『ベストセラー作家の蓮見真夜先生で
いらっしゃいますか?』

『あの記事は、本当なんですか?
あ、こちらに写真に写っていた女性がいます。
あなたは?』

取材陣は、私まで気づいた。

ひぃぃ…!!怖い。

圧倒されオロオロしてしまう。

すると先生は、前に出て
私を後ろに隠してくれた。

「コイツは、俺の担当してくれている
担当編集者です。
恋人でも妻でも無いので写すのは、
遠慮して下さい」