私は、すぐに中に入ると
エレベーターに乗り込んだ。

気づかれずに上手く出来たわ!!

急いでエレベーターから降りると
先生の部屋に向かった。

部屋のそばまで来ると
先生がドアを開けて待っててくれた。

そして、私の格好を見て驚いていた。

「お前…何だそれ!?」

「おはようございます。どうですか?
先生の分もあるので。
これならバレずに睦月君を幼稚園まで
送り迎えが出来ます!」

私は、帽子を取りながら言った。

チラッと睦月君を見ると
先生の足元で、こちらをジッと見ていた。

なかなかいいアイデアだと思う。だが、

「……はぁっ?」

先生の反応は、冷ややかだった。

あれ?
何だか反応が冷たい。何で…?

すると思いっきりデコピンをされた。

い、痛い。

「ドアホ。何で俺が、そんなコスプレみたいな
格好をしないとならねぇーんだよ!?」

呆れた表情で言われた。

「で、でも…この格好をしないと
外に出られませんよ?
睦月君の幼稚園だってあるのに」

そうしたら私の頭をグシャッと撫でた。

「上等じゃねぇーか。そんな変装なんてしなくても
正々堂々と行ってやるよ!
別に悪い事をしている訳ではねぇーんだ」

そう言ってニヤリと笑った。

先生……!?

「ですが……」

不安そうな私に比べて先生は、
正々堂々としていた。

どうして?それが嫌だったはずなのに

「そうなってしまったのは、仕方がねぇ…いや。
むしろいい機会なのかもな。
足りなかったのは、覚悟だ!
お前のお陰でな」

えっ?