「わ、私…やっぱり帰ります。
会社に頼まれただけですので…すぐに帰らないと」
このままだと気まずくなってしまう。
「……そうか。あのさ受賞パーティーは、
来てくれるよな!?
俺の初受賞パーティーなんだ。
ぜひお前に来て欲しい。涼花」
そう私に訴えてくる。
断る理由が見つからない。
「……はい。」
一緒に行ったって誰も止めてくれる訳ではない。
むしろ会社のためにも行った方がいい。
私は、行く事を受け入れた。
そして、受賞パーティーの日。
私は、岩神さんと一緒に
受賞パーティーに向かった。
その間、先生の所に行く事は、出来なかった。
拒否されるのが怖かったから
電話もあれから、かかって来ないし。
「おい。大丈夫か?顔色が真っ青だぞ」
「あ、はい。ちょっと緊張して…」
それだけではないけど…緊張しているのも本当。
たくさんの有名人や著名人が来ており
予想以上に人が多い。
しかし顔色が悪いのは、
多分…寝不足だからだろう。
頭の中が渦巻いて眠る事が出来ない。
不安や悲しみで、どうにかなりそうだった。
「とりあえず近くの座れる場所を探そう。
俺もついて行ってやるから」