ひとつ、
目を閉じた彼は
張り付いたような口を
重く上げる。
「月島は....あの、
ちょうど1ヶ月前に
持病の...
心臓病が悪化して、
入院、してたんです」
月島が、病気。
突然知ることになった
事実に驚いたのも
さることながら、
「してた」という過去形が
どうにも嫌な感じがして。
「...それ、どこの病院?
それとももう退院してる?」
「...っ、それは」
「ひょっとして手術するとか?
大変だって言うもんね、アレ」
「、っ」
「アイツが心臓病だって
知らなかったから
これまで通学路に
ついてくんの許してたけど、
これからはムリして
付いてくんなって
言わないといけないし。
それも込みで
見舞いくらい行ってやりたいんだけど
居場所、教えてくれない?」