「なに、 どうしたの?」 へらり、笑って 彼の表情をほぐそうとしてみても 凍りついたままの 彼の顔は変わらなくて。 それどころか、 彼のチームメイト迄もが 示し合わせたように 俺の顔を凝視していた。 耳が痛くなるような沈黙に 自らが浮かべた笑いさえ ひきつっていくのを明瞭に感じる。 「...なにか、あったの?」 2回目の問いは 高い体育館の天井に吸い込まれた。