【玲音side】 ▽ やっと戻ってきた 平穏な帰り道。 なのに何かが物足りなかった。 原田の似合わない ミルクティーも、 眼前に広がる夕暮れの道路も、 全てが同じのはずなのに。 「玲音くん!」 子犬...というか ヒルのように まとわりついてきた 月島がここには居ない。 「諦めた」と原田は言うが その程度の想いだったのかと 清々するの裏側に 微かな寂しさが滲むのは 否定できない。