家自体もかなり大きくて、豪邸……っていうか、坂の上に建ってるからお城みたい……。
「柳井、こっち来て」
「えっ……玄関から入るんじゃないの?」
「いいからいいから」
「う、うんっ……」
立派な玄関をサラッとスルー。
柚希くんに手を引っ張られるがまま、家の外壁伝いに進んでいくと……、
「……わっ……」
……そこにあったのは、大きな庭。
私は柚希くんに引っ張られるがまま、柵のところまで進んでいった。
「下 見てみ」
「うんっ」
その柵の高さは胸の辺りまでで、
言われた通り下を覗くと、花火大会の会場がしっかりと見えた。
視界を遮るものは何も無くて、
花火を見るには絶好のスポットだ。
「いつもここから花火を見てるんだ。 俺は出店とか全然行かないから、下に行ったのは今日が初めてだったんだよ」
「凄いねっ……いいなぁ、羨ましいよっ」
とっても広い庭で、誰にも邪魔されることなく花火が見られる。
凄いな。
本当に本当に、羨ましい。