「あ、そうだ。 ちょっとじいちゃんのとこ寄る? 歩くの疲れたし、家に行って少し休むか」

「えぇっ!? さ、さすがにそれはっ……」

「エアコン使い放題で涼しいよ?」



エアコン使い放題……あぁ、なんと魅力的な響き……。

でも、さすがに突然おじいちゃんの家に行くのは……ねぇ……?






「よし、決まり。 今から行こうっ」

「ちょっ……行くなんて言ってないよっ!?」

「大丈夫だよ、みんな大歓迎っ」


「いや、でもっ……ちょっと柚希くんっ」



ガシッと手首を掴まれ、無理矢理に連れていかれる。

強引すぎます、柚希くん……。






「この階段の上だからすぐだよ」

「うわー……凄い階段……」



すっごい角度。

しかも長い。


ただでさえ疲れてるというのに、この階段を進むなんて……。



「あの……私やっぱり……」



柚希くんのおじいちゃんの家には行けないよ。

と言おうと思った時、


階段の上から声が聞こえてきた。