私がトイレに行ってる間に、
柚希くんは飲み物を買い終えたみたい。
コンビニの袋を私に渡したあと、
今度は柚希くんがトイレへと向かった。
その間に私は外へと出て、コンビニ横の僅かな日陰スペースへ。
今日は快晴。
ビックリするくらい晴れていて、まさに花火大会日和。
家を出る時に日焼け止めを塗ってきたけど、
歩くので汗だくになったから もう全然意味が無いかも。
「暑いなぁ……」
なんて当たり前のことを呟いた時に、
柚希くんがコンビニから出てくるのが見えた。
「柳井」
「あ、おかえりっ。 ……って、どうしたの?」
飲み物を受け取った時は笑顔だったのに、
今はなんだかちょっと、怒ったような顔してる?
「柚希くん?」
「暑いんだから中で待ってればいいじゃん。
なのにお前、なんで外に居るのかなーって思って」
「あ、それで怒ってるの?」
「そりゃ怒るだろー。 ここまで炎天下の中を歩いてきたんだから、熱中症で倒れるぞ?」
「大丈夫だよ、今から水分補給するもん。 ……って、2本とも同じやつ買ったの?」
ブルーのラベルの、例のスポーツドリンク。
袋の中に入っていたのはその2本だけだった。