そんなとき、ふと幹部の一人が顔を上げた。
それに俺は、思わずギクリとしてしまう。



けれど俺の事なんかこいつらには関係なくて、


「おにぃ!!」


先程からギャーギャーと口喧嘩をしている彼、


潮崎 春馬ーHaruma/Shiozakiー。


純平データによると、親衛隊長というものらしい。


そして、その名から察せるかもしれないが、
冬馬の大切な人、その人。

彼の弟である。


「はるー!!!」


名前を呼ばれて嬉しかったのか、
笑って窓から手を振る冬馬。


お互いに目が合ったのか、ニコニコと笑う二人は、
正真正銘のブラコン兄弟である。


「うっわ、相変わらずのブラコンっぷり。」


なんて言う大場の言葉に、思わず頷いてしまうのは、無理もないだろう。


そんな二人を見つつ、俺はまた窓の外、蒼龍の奴等に視線を戻した。