「相変わらず騒がれてるな。」

不意にムッとした声が耳にとどいて、
声の主へと顔を向ける。


「おはよ、冬馬。」


そこに居るのは我が親友、

潮崎 冬馬-Touma/Shiozaki-。


「おはよ、篤希。
あのバカは相変わらず??」


「そ。野次馬根性発揮してる。
さすがデータオタク。」


バカと揶揄されていることにも気づいていない大場を見やり、
はぁと呆れたため息を零す。

身を乗り出す勢いで窓の外を覗き、
じっと彼らの関係を観察している。


窓際後方で前後の席に並んでいる俺と冬真も、騒ぐ5人を窓からただじっと見つめるだけ。

「楽しそうに笑ってんじゃん。」


少し寂しそうに、けれど、暖かい笑みを浮かべる冬馬。


ポツリ、と呟いた冬馬の視線の先には、
彼の大切な人がいた。