謝りたくて


お礼を言いたくて



愛を叫びたくて




何から言えばいいか、わからなかった。






けど、言いたいことははっきりしていた。









「私、竜を傷つけた。好きって言ってくれたのに、私も好きって返したのに、その幸せを拒んだ」





私はもう一度「ごめん」と言って、竜を見ていた瞳を伏せる。





怖かったの。


ただただ、怖かった。




もしもこれ以上の幸せを受け入れたら、この生活が、笑顔が、崩れて消えてしまうんじゃないか、そう思えてならなかった。






私はただの臆病で、弱虫な人間だった。