少し広めのベランダに出て、竜は私の腕から自分の手を放した。
ベランダからは、数え切れないほどの星が見える。
眺めているだけで、うっとりさせられるくらいの、ひとつひとつが輝いている星たち。
それはまるで、私を守ろうとしてくれた神雷の皆のようで。
私はいつもより、星を近くに感じた。
「……」
「……」
しばらくの間、沈黙が続いた。
私も竜も、片手にまだジュースが入ったグラスを持っていて、お互い、そのグラスを見たり揺らしたりジュースを飲んだりしていた。
チラ、と竜の方を見ると、ちょうど竜も私を見ていて、どちらともなく視線をそらす。
その繰り返し。
でも、長く続く沈黙は、辛くはなかった。