「雫、何か食べたか?」 竜が私に声をかけてきた。 竜の手には、パスタをのせた皿が。 「今からだよ」 「あっちに雫が好きそうなケーキがあったぞ」 「え!本当!?行ってくる」 「――待て」 ケーキ食べたい!と思って歩こうとしたら、竜に腕を掴まれ、足を止められてしまった。 竜……? 「その前に、ちょっといいか?」 いつになく竜は真剣な顔つきをしていたので、私は頷くこと以外できなかった。