【竜side】
聞いてしまった、雫の過去。
それは、想像以上に残酷なものだった。
「……お姫様の過去を聞いてもなお、守れるのか?」
雫を捕えているブラックの奴が、真っ直ぐな声で訪ねてくる。
俺は正直、動揺していた。
いきなり雫の過去を聞いて、
その過去が俺たちが抱えている過去よりも、ずっと深い闇で包まれていて、
それでも雫は生きてきた。
その事実に、何も言えなかった。
俺だけじゃなく、皆もそんな状況だった。
ブラックの奴らの視線を、痛いほど感じる。
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