『――大丈夫だよ』







彼は何も知らない。


だけど、博の言う「大丈夫」は、私の中で穏やかに響いた。





博が言うと、本当に大丈夫な気になってくる。



どうしてだろうね。






博は、独りだった私を、助けてくれたんだ。


私にとってかけがえのない存在へと、変わる。






傷ついた心に、小さな小さな光が灯された瞬間だった。








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