『――大丈夫だよ』 彼は何も知らない。 だけど、博の言う「大丈夫」は、私の中で穏やかに響いた。 博が言うと、本当に大丈夫な気になってくる。 どうしてだろうね。 博は、独りだった私を、助けてくれたんだ。 私にとってかけがえのない存在へと、変わる。 傷ついた心に、小さな小さな光が灯された瞬間だった。 ■ ■ ■