それなのに、博は私を助けてくれた。
見ず知らずの、こんな汚い私を。
『……ワケあり、みたいだね』
博は、初めて会った時から優しかった。
私にとって唯一の、頼れる存在だった。
『あ、そうだ。俺の家、来る?』
私のことなんて何も知らないはずなのに。
博は、そう言ってくれたんだ。
私の黒ずんだ心に、一筋の光が差し込んだ気がした。
『じゃあ、行こっか』
泣きそうになるくらい、とても温かな光。
手を差し伸べてくれた博に、私は少し戸惑いながら手を重ねた。
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