私は行き先もなく、助けを求められるような親しい人間もいなかったので、ただ朦朧とした意識の中、とにかく歩いていた。
帰る場所も、頼れる人も、ない。
ただあるのは、犯してしまった罪と忘れてしまいたい記憶だけ。
さて、これからどうしよう。
少しだけ傷ついた手足が、なぜかひどく痛く感じた。
本当なら、それほど痛くもない傷なのに。
気づけば、繁華街にいた。
もう空は真っ暗で、夜になっていたことに今更気づく。
人がたくさんいる……。
幼い私は、特に浮いていた。
どうしよう。
ここにいても、きっと何もならない。
今日は野宿かな?