お父さんは、床に倒れ、心臓は止まり、もう生きてはいなかった。
ふと書斎を見渡すと、殺してしまった人で溢れていた。
ところどころ血がついている。
『……さよなら』
もうここには戻ってこない。
こんなところ、一生帰ってこない。
そして私は、独りになった。
私が殺した、という証拠をすべて消して、私がいたという痕跡をなくしてから、私は家を出た。
一粒の涙をこぼして。
『――ごめんね』
お母さん。夜月。
助けられなくて、ごめん。
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