嘘……。


計画が、終わった?




お母さんと夜月はもう、戻ってこないってこと?






ふと思い出したのは、お母さんがいなくなった日に見た予知だった。


……防げたのに。もう少し予知について早くわかっていれば、防げたのに。







『何それ……』



『残念だったな』







お父さんの笑い声が、さらに私の殺意を膨らませる。



怒りで、全身が震える。






『……ない』



『え?』







『許さない!!!!』






私は突きつけられていたナイフを素手で折り曲げた。


手は血だらけになり、“赤”に染まる。