――グッ 『……なに、すんの』 お父さんは、携帯ではなくポケットに忍ばせていたナイフを、後ろから私の首に突き立てた。 わかったって、言ったじゃん。 計画止めてくれるんじゃないの? 『俺の言葉を信じるなんて、バカだな』 ……それってつまり――。 怒りがさらに大きくなる。 『計画を今更中断するわけねぇだろうが。 それにもう、手遅れだ』 『え?』 『もう人身売買をするための船は出た。計画はもう、終わったんだよ』