「雫!?」
竜が私の名前を叫ぶ声が、聞こえてくる。
……竜、あなたは私に「好き」と言ってくれたね。
だけど、私の本当の姿を知ったら、また「好き」って言える?
私の過去を知らなかったからこそ、言えたんじゃないの?
カクン……と、意識をなくした私は、力が抜け、立っていられなくなる。
深い深い闇の中、私は心を閉ざしそうになった。
「殺人……?
嘘だ!!雫ちゃんがそんな……」
郁人が、私の正体を知って、動揺しながらも言い返す。
「嘘じゃねぇよ。
……やっぱお前らには守れねぇのか?」
そりゃそうか、と腰に手を添えながら、ブラックの一人が言う。