「雫ちゃんを返せっ!!」



瑛士が、険しい表情でそう叫ぶ。





「嫌だね」



さっきまで神雷と話していたブラックの一人が、そう言った。







ブラックの目的がわからない。


ブラックの今の実力なら、こんなことしなくても、真正面から闘いを挑んでも、神雷といい勝負なのに。




ブラックの本当の目的は、神雷を倒すことではない、ってこと?


なら、何……?









「お前らさー、このお姫様の秘密知ってるわけ?」








……え?


突然何を言い出すの?




秘密――。

ドクン、と鈍い音を立てて心臓が跳ねた。