直後、懐かしい声を持つブラックの一人が、私の前に現れた。 速い……! 瞬時に私のところまで来たんだ。 「試させてもらうよ」 私にだけ聞こえるような小さな声で、その人は言った。 試す……? 何を? 瞬間、その人は私を持ち上げた。 お姫様だっこで。 「雫……!!」 竜の声が、耳に届く。 「ヤダ、離してよっ」 私はその人から離れようと、必死に抵抗する。