「なんでわざわざ洋館に?」
新平はいつも通り穏やかな声だけど、その声の裏には猛獣のような威圧を隠している。
「こっちから来なきゃ、お前ら、俺らが怖くて来ねぇだろ?」
「怖い?ハッ、馬鹿じゃねぇの?
お前らなんか、怖くもなんともねぇんだよ」
ブラックの一人の言葉に、蒼は睨みながらそう言い返す。
洋館の中には、見えない火花がバチバチと燃えていて。
私は、まだ続いている胸のざわめきに、不安がさらに積もっていた。
なんでだろう。
なんでこんなに不安なの?
「さてと」
ブラックの一人が、ポツリと呟く。
その声で、ブラック全体の雰囲気がガラリと変わった。