「な、なんて、あはは。わがまま、だよね」 わかってる。 こんなこと言われて、迷惑だよね。 私はぎこちない苦笑いをしながら、手を布団の中に引っ込める。 「ごめんね。うん、安静にしてる。行っていいよ」 「………」 「竜?」 私はさっきのわがままをなかったことにしたくて、そう言った。 だけど竜は、動こうとしない。 どうしたの? 「初めてだな。雫が俺にわがまま言うの」