「――入るぞ」 竜は扉を開けて、また私の部屋に入って来た。 そして、私のおでこに冷たいタオルをおいてくれた。 「じゃあ俺は、幹部室に戻るから。安静にしてろよ」 ……やだ。 行っちゃ、やだ。 竜がベットから離れようとした時、私は反射的に竜の着ている服の裾を掴んでいた。 「……雫?」 竜の声にハッとして、手を離す。 何してんだろう、私。 こんなわがまま、言えるような立場じゃないのに。 「どうした?」