【竜side】






「だからいつか、自分のこと好きになってあげてね」






雫の小さな手のひらから感じる。


柔らかくて温もりのある、雫の体温を。





自分自身に怯えていた心の震えが、だんだんとおさまっていく。







「ありがとな、雫」



「お礼を言われるほどのことしてないよ」






ふわりと花のように微笑んだ雫。







雫はすげぇな。


光がなかった暗闇に、一筋の“希望”を差し込んだ雫に、俺はきっと敵わない。





いつだって雫は、俺たちの味方でいてくれるんだな。