「雫……」
「竜のこと、皆大好きだよ。自分が嫌いな竜のこと、私たちは大好きだから。だからいつか、自分のこと好きになってあげてね」
こんなに愛されてるんだもん。
いつか、好きになるよ。
窓の外から見える空の色は、澄んだ青色だった。
太陽の光が注がれて、私たちを照らす。
教室の床に影が伸びて、より一層、光の存在を際立たせている。
優しく包んだ竜の手のひらは大きくて、温かくて。
私の胸は、高鳴りを増す。
鼓動に満ちたこの色を、私は宝物のように大切に扱った。
竜の表情はだんだんと、穏やかなものへと変わっていった。
私はそのことに気づき、ふわりと微笑んだ。