そして私は、郁人と一緒に射的をやった。
命中したのは、うさぎのキーホルダー。
私にこんな可愛らしい物、似合わないんだけどな。
「よかったじゃねぇか」
竜が私の持っているうさぎのキーホルダーを見て、そう言った。
「……うさぎなんて、私にはもったいないくらい」
うさぎの可愛らしさに、私はつい自傷的になってしまう。
私なんかが持っていても、その可愛らしさを減らしてしまう。
私の手は、“赤”で汚れてしまったのだから。
「雫はうさぎみたいだな」
「え?」
「寂しがり屋ってとこが」
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