そして、すぐ近くの出店で、わたあめを買ってきてくれた。


行動が早い……。





「ほら」



無愛想にそう渡され、私は「ありがとう」と言って受け取る。


優しいな、竜は。




パクリ、とわたあめを一口食べる。





甘い味が口いっぱいに広がって、溶けていく。


その味を忘れないように、心の中にとどめていおいた。







「雫ちゃん!あっちで一緒に射的やろ!!」







わたあめを半分食べ終えた時、郁人がおいでおいでと手招きしながら、射的屋の前で私を呼んだ。



射的かぁ、楽しそう!





私は返事をして、すぐに射的屋へ向かった。