「雫」
「何?」
竜が私に声をかける。
さっきまで少しだけ赤かった頬は、もう元に戻っている。
「何か欲しいものはねぇのか?」
欲しいもの?
なんでいきなり……。
「『夏祭り楽しめ』って意味だよ」
新平が、コソッと耳元で私に教えてくれた。
なるほど。そういう意味だったのかぁ。
竜なりに、私を楽しませようとしてくれたんだね。
「わたあめが食べたいかな」
私が笑顔でそう言うと、竜は少しだけ口角を上げて「わかった」と言った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…