蒼は懐かしむように、そう言った。
神雷に入っている人って皆、仲いいんだなぁ。
下っ端とか幹部とか、そういうの関係なしに。
なんていうのかな。
一つの輪が大きく広がっていくような。
まるで、家族のような仲間。
私もその輪の中に入れているのかな?
ちゃんと、仲間になれてる?
「夏祭りまだ全然楽しんでないんだけどー!!」
皆がブラックについて考えているとき、郁人くんが唇を尖らせながら言った。
そういえば、私がはぐれちゃったせいで、夏祭りをエンジョイしてなかった。
また申し訳ない気持ちが押し寄せてくる。
「……しょうがない。今日は夏祭り楽しみますか」
小泉さんが呆れながらため息をついて、郁人くんのご機嫌を取った。