「博、なんでしょ?」




「……」






「ねえ、博でしょ!?」








雫の呼びかけに、助けた奴は何も反応せず、黙ったまま。



雫の瞳は涙いっぱいで、声がさらに震え始める。





もし本当に博さんなら、どうしてここに?


留学中のはずなのに。






「……まだ」



「え?」









「まだ終わっていない」