グラウンドに敵が攻めてきた日、雫は俺たちのことを守ってくれたのに。


ナイフの存在に気づいていない俺たちのことを、守ってくれたっつーのに。





今の俺は……

“姫”を守るどころか、危険な目に合わせてんじゃねぇか。





弱すぎだろ、俺。



あいつを守れるくらい、強くなりてぇ。


……その強さを、持っていると思っていたのに。








今、俺が助けなくて誰が助けんだよ。


一体誰が……―――












「雫」











……え?