「もう誰も、傷つく姿を見たくないのに……」
小さな小さな声で呟かれた雫の言葉を、なぜかクリアに聞き取れた。
どうしてだろう。
どうしてここまで、こんなにはっきりと聞こえるんだろう。
わかんねえけど
この状況を見て、あいつは苦しんでることだけはわかる。
あいつの瞳は揺れていて、少し潤んでいる。
何を恐れてんだよ。
女なんていなくていい。
女なんて要らない。
そう思っていた俺が、ここまで気になるなんて。
自分でもバカみてぇって思うよ。
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