「……いや、やめて!!」 今にも泣きそうな雫の声が、聞こえてきた。 ……俺は大丈夫だっつの。 それこそ、お前の方が心配なんだからな。 「黙ってろ!!」 「っ、」 雫の声に、雫にナイフを向けている全身黒の奴が叫び、ナイフを首元に触れさせた。 そこから一滴の血が、首筋を流れる。 「そいつに何もすんじゃねえ!!」 その“赤”を見た瞬間、俺の中にある殺意が一気に湧き出て、 俺は怒りをあらわにし、無意識に叫んでいた。