ナイフ……!



雫の予知が、完全に当たってしまった。






「この子がどうなってもいいのかな?」







顔がマスクとサングラスで覆われ、ほとんど見えない。


だが、ニヤニヤしていることだけは感じ取れた。




絶対楽しんでやがる、こいつ。






イライラが、全身を走る。


雫にナイフが向けられてなければ……っ!








他の全身黒のやつらが、俺に近づき、殴ったり蹴ったりし始めた。



雫が人質になっている今、やりたい放題だな……。

弱いくせに、こんなずるい手使いやがって。





雫に傷をつけないため


俺はその攻撃に耐え続けた。