雫の悲鳴が聞こえ、俺はやっと闇に慣れてきた瞳を向けた。
最初に現れた敵を気絶させ、すぐに雫の方へと駆け寄る。
「おおっと、動くんじゃねぇぞ?」
けれど、その低い声を聞いて、すぐに足を止めた。
……この声、どこかで………。
目の前には、雫と……またしても全身黒の奴が二・三人いた。
またブラックかよ。
今度の奴は、まだできる方。
だが、やっぱりあの日と比べると、力の落差がある。
「そいつから離れろ」
「いいのかな?そんな口を聞いて」
雫の首にキラリと光るナイフを近づける男。
どこかで聞いたことのあるその声の男は、どこか楽しんでいるようだった。