「本当だ……」
「本当にここにいたな」
ブラックだと思われる全身黒の奴ら二・三人の小声で話していた会話が、耳に届いた。
……どういうことだ?
本当にここにいた?
その言い方じゃまるで、俺らがここに来ることを誰かに教えてもらったみたいじゃねぇか。
俺たちがここに来ると知っていた人物なんて、そうそういねぇ。
いや、俺たち神亀と雫以外いないはずだ。
じゃあ、神亀の中に裏切り者が?
……それとも、俺たちの情報を隅から隅まで知っている人物がいるってことか?
――監視。
ふと頭をよぎったのは、その言葉だった。