「戻るぞ」



「……うん。ごめんね、瀬戸川さん」






迷惑かけちゃって。


走らせちゃって。




私を追いかけてくれて、ありがとう。






上を見上げると、そこは星空で。


もう夜なんだと、改めて思う。




人も光も少ない、夏祭りの騒がしい場所の裏。


こんなところにいたんだ、私。




こんなところだとも知らずに、無我夢中で走ってたんだ……。








――ガサガサッ



すると、草木が何かで動く音が聞こえ、ビクッとなる。







なんだろう。ここ、知ってる。


あれ………?